バドミントンではきれいなフォームが必ずしも正しいフォームとは限りません。きれいなフォームでプレーする選手に憧れて、マネをしようとすることは必ずしも悪いことではありませんが、それがあなたにとってプラスになるとは限りません。
むしろフォームが崩れてしまったときにどのような対応をしているかを勉強するほうが、あなたの実力向上に役立ってくれるでしょう。
今回はバドミントンできれいなフォームで打つことの意義についてお話ししていきます。
バドミントンできれいなフォームで打つ意味
バドミントンできれいなフォームで打つ意味は、無駄な動きをしないでシャトルの落下点に移動できて打てるかどうかです。コート奥側に移動するときに仰け反ってしまっていたり、腕の力だけで打ってしまっていたりするのはきれいなフォームとは言えないでしょう。
きれいなフォームを覚えるためには素振り練習がおすすめです。素振り練習で習得できることは、理想の動きを身体に覚えさせることです。ただしむやみやたらとラケットを振り回しても意味がありません。
他の人に見てもらったり、姿見などの鏡を見たり動画を撮影したりと理想のフォームと実際の動きの何が違うかを理解して改善していきましょう。
今では少ないですが、シングルスでロングハイサービスをレシーブするときは余裕を持ってシャトルの落下点に入れるはずです。こういうときにはきれいなフォームでしっかりと打ち返せるようにしておきましょう。
しかし、バドミントンはきれいなフォームで打てても得点にはなりません。きれいなフォームで打てているからといって、それが試合での勝利に繋がるとは限らないのです。
試合で勝つためには、得点を取っていかなければなりません。例えばどこにシャトルを打ち返して相手を、どのように動かすかを考えるかが試合では重要。きれいなフォームで打つよりもどこに打つかが大事なのです。
続いて打ち返す場所を考える意義について解説していきます。
きれいなフォームで打つより打ち返す場所を考える
きれいなフォームで試合中に打てているということは、まだあなたに余力が残されているからです。試合相手があなたより格下だからこそ余裕を持ったリターンができるのでしょう。
その試合で自分の実力の高さに満足するのではなく、きれいなフォームで打ち返しつつも打ち返す場所を考えるクセをつけるようにしましょう。いくらきれいなフォームで返していても、何も考えずあなたがきれいに返せるフォームとショットで返していたとして試合に勝てていなければ問題。
したがって、今現在フォームが崩れていて正しくないと指摘されている人はいくら素振りをやっても上達の見込みは少ないと言えるでしょう。それよりもノック練習で、どこに返すかを意識して打てているかのほうがはるかに重要である。

特にまだ体が成長しきっていないジュニア選手(小学生以下)や中学生に対して、成人のプロ選手のフォームをさせようとした指導をしてもその選手は成長はしません。
その選手がどうやったら打ちたいところに返せるかを考えてあげるほうが、はるかに大切です。
また選手自身も、どうしたら狙った場所に返せるかを考えるようにしましょう。
参考:【バドミントン】シングルスの試合で女子が勝つコツ・戦い方
崩れたフォームでいかにリターンするか
きれいなフォームで打てることのメリットの少なさは先述したとおりです。では、上達をするためにはどうすればいいのかと考えた時に重要となるのは崩れたフォームで、最善のリターンができる方法を練習すること。
崩れたフォームからでも返す練習で一番効果的と言えるのはやはり「スピードノック(フィジカルノック)」。意図的にフォームを崩してひたすらシャトルを追いかける練習です。
スピードノックの効果はフェイントショットにひっかかってしまった場合の対応にもつながってくる。フェイントショットにひっかかってしまった場合について書いた記事もあるのでぜひ読んでみてください。
参照:バドミントンでフェイントにひっかからない・打ち返せないをなくすためには?
まとめ
バドミントンできれいなフォームで打つことは大事なことではありますが、それ以上にどこへ打ち返すかが重要。
また上達のために試合を観戦する時見るべきポイントは、上級者が崩れたフォームでリターンしたときや、フォームの変化が現れた瞬間です。
なぜフォームを変えたのだろうと疑問を持つ視点でフォームを見れば、自分に必要なことを取り入れる可能性がでてくる。
きれいなフォームばかり意識してフットワークの練習をしている人の素振りはただラケットを振るだけですが、強い人は素振りひとつをとっても、そこにシャトルがあるかのように丁寧に行います。
