バドミントンのショットの中で速度が最も出るのはスマッシュショットです。その初速はギネス世界記録にも載るほどの493km/hと掲載されるほどの速さです。この記録は2013年5月に樹立されました。しかし、この記録は2023年に塗り替えられました。
現在(2025年3月時点)の記録は2023年4月14日に計測された565km/hとなっています。この記録を出したのは男性選手です。同日に女子選手も計測が実施され、438km/hの記録を出しました。これは女性部門で初のギネス世界記録として認定されました。
ちなみに上記のデータは下記のサイトを参照しています。
参照:世界最速のスポーツ バドミントンにおける偉業達成! S・ランキレッディ、P・タン スマッシュ初速スピードギネス世界記録™樹立
さて、ではスマッシュが速ければ試合で勝てるのでしょうか?当然ながらそんなことはありません。いくら速いと言っても瞬間初速だからです。打ったスマッシュ、もしくは飛んできたスマッシュは400km/h超えの猛スピードではないのです。
このページではスマッシュを打つときのポイントと、スマッシュを打ち返すスマッシュレシーブについて解説していきます。
バドミントンのスマッシュ速度は手元に来たときどれくらい?
バドミントンのスマッシュの速度は相手プレーヤーによって打たれたあと、あなたの手元に来るまでには空気抵抗などにより減速しています。したがってレシーバーの手元に来るときスマッシュで打たれたシャトルは、時速数十km/h程度に落ちていると思っていいです。
冒頭でお伝えしたギネス世界記録は、測定のために速いスマッシュが打ちやすい環境で計測しています。試合中に打たれたスマッシュのギネス世界記録は別で記録されており、初速426km/hです。したがって毎回初速500kmで打たれたスマッシュが飛んでくるわけではありません。
それでもバドミントンのコートの大きさから考えれば、たとえコートの一番奥から打たれたとしてもレシーブする選手の手元に届く時間はコンマ数秒しかないのです。
そのため飛んでくるスマッシュのシャトルを確認して、それから反応して動いてでのレシーブは不可能。こうなるとスマッシュのレシーブというのは、相手のスマッシュを打つフォームを見て脳が飛んでくるコースを予測して対応していることになります。
初速がいくら速くてもレシーブするときには速度がある程度遅くなっています。またスマッシュが打たれる前にレシーバーは予測して動き出すので、スマッシュが速くても恐れる必要はないのです。
続いて、スマッシュを打つときのポイントとスマッシュレシーブのコツについてお話ししていきます。
バドミントンのスマッシュで大切なポイント
初心者の方に知って欲しいのですがバドミントンはスマッシュで得点するスポーツではありません。初速500km以上のスマッシュが打てても、スマッシュを打つフォームがきれいであっても得点にはなりません。
バドミントンではいくら速いスマッシュを打てても、それがエースショット(決め球)となることは少ないです。初心者が相手ならばともかく、ある程度のレベルになれば速いスマッシュをレシーブできるプレーヤーはたくさんいます。
スマッシュを打つ狙いは相手プレーヤーの姿勢を崩し、不十分な体勢からのリターンを誘いテイクバックの時間を奪ってリターンの精度を下げるためです。
バドミントンは速いスマッシュを打つことが最大の目的ではなく、次の攻撃のためのスタートと捉えるようにしましょう。大切なのはスマッシュを打ったその後のショットなのです。戦略立ててラリーを組み立てて、試合で勝てるようになりましょう。
スマッシュレシーブのコツ
スマッシュレシーブのコツは下記の3つです。
- 正しいレシーブの姿勢をとる
- 手首を立てる=リストスタンド
- 肘から出して打つ=体の前でシャトルをとらえる
これらができるようになってリターン(返球)の場所を自由に打ち分けられるようになります。初心者のうちはまずラケットに当てることを目標としてみてください。
またラケットは大振りしないことを意識してシャトルにラケットを当てにいきましょう。スマッシュは勢いのあるショットなのでラケットをシャトルに対してしっかり当てられれば、相手コートへリターンできます。
スマッシュはバドミントンの中で最も速く迫力のあるショットですが、あなたの手元に届くころにはスピードは落ちているので何も恐れることはありません。
レシーブ練習を繰り返せば、返せないスマッシュなどほぼありません。返せない場合は必ず理由があるので、レシーブができている人に教えてもらいましょう。または練習中のあなたの動きをスマートフォンで録画してもらえれば、フォームの確認ができるでしょう。それを分析してリターンできているときとできていないときの違いや、リターンがしっかりできている人と何が違うのかを研究してみてください。
参考:バドミントンでスマッシュレシーブが飛ばない原因は手首と肘にある
バドミントンのスマッシュの速度についてまとめ
バドミントンのスマッシュは速く、初心者のうちはスマッシュを受けるだけでも怖いかもしれません。しかし、この記事でお伝えした通り初速はギネス記録にも載るほどの速さですがあなたの手元に来るときにはスピードは落ちています。
スマッシュで打たれたシャトルを見てから反応しては、スマッシュリターンには間に合いません。相手の動きを見てレシーブできる体勢で構えておくことが重要。
反対にスマッシュを打つときはこのスマッシュで決めるぞとエースショットとして打つのではなく、あくまでも相手の姿勢を崩すために打っていると意識してください。この意識がないとリターンされたら一気に形成逆転されてしまい、不利な状況に追い込まれる可能性があるからです。
スマッシュの特性を理解して試合で勝てるように練習してみてください。